「僕の大切な人は瞳の中にいますよ。
 見えませんか?伊藤くん」
 ねえ、よく見てください。
 七条はせがむように、すがるように言い募った。
 自分より一回りちいさい啓太の手が
 おずおずと頬を包むのを感じる。
 必死な瞳が自分をのぞき込む仕草に
 荒々しく抱きしめてしまいたくなる衝動を七条はこらえた。

 柔らかい唇に不意打ちのようにキスをして
 その甘さを味わいたいと考えているのは秘密だけれど。